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【ジル・ド・レ】堕ちた英雄。聖女の理解者の変貌

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フランスとイギリスとの間に起こった百年戦争で活躍したジャンヌ・ダルクの良き理解者であり、「救国の英雄」と称えられたジル・ド・レですが、その半生はただの人殺し。大量殺人者で、悪魔そのものでした。英雄、そして悪魔、彼ほど正反対の評価を得た人物はなかなかいないのではないでしょうか。今回はそんなジル・ド・レを簡単に紹介したいと思います。

 

 

 

幼少時代


1405年頃にジル・ド・レはフランス屈指の名門貴族の元で生まれました。貴族の人間らしく英才教育を受けたジル・ド・レは音楽、文芸、美術、洗練された教養もつ人物でした。

順調に育つはずだったジル・ド・レでしたが、実の母、父が立て続けて亡くなります。両親を失うと家庭環境が一変したジルは、弟と共に祖父に引き取れました。この祖父がなかなかあくの強い人物だったようで、亡くなった父は遺言で祖父に育てられること禁じるくらい警戒していました。

 

それもそのはず、祖父であるジャン・ド・クランは、軍資金の横領や暗殺未遂事件などを起こす筋金入りの悪党だったのです。後見人になった祖父は、ジル・ド・レの教育係だった家庭教師をやめさせて、放任したと言われます。のちにジル本人も裁判で祖父の放任主義を認めています。

 

ジルは16歳で結婚をするのですが、祖父の影響を受けたのか。花嫁は誘拐したらしく、暴力で婚姻を成立させたようです。政略結婚をたくらむ祖父の計画だったとか、ジルの意思だったとか諸説があるそうです。

ジャンヌ・ダルクとの出会い


1425年頃、成長したジルは、祖父のコネもあり軍人デビューを果たします。当時のフランスは「百年戦争」と言われるイギリスとの長い戦争で荒れていました。ジル・ド・レは指揮官としての才能を開花して、勇敢な姿勢を評価されました。

 

1429年のオルレアン包囲戦で、ジルはジャンヌ・ダルクと出会います。最初はジャンヌ・ダルクの監視を命じられていましたが、いつしか感化されて協力的になったとされています。オルレアンの活躍、そして、パテーの戦い。戦争の終結に貢献したジルはフランス元帥に任命され家紋に王家の百合が加えられました。

 

こうして救国の英雄が誕生したのでした。

 

しかし、ジャンヌ・ダルクが敵に捕らえれてしまいます。ジルは助け出そうとしますが、願いは叶わず。ジャンヌ・ダルクは火刑となりこの世をさりました。さらに翌年には影響を受けた祖父も死去。

 

影響を受けてい人物の死が重なり、ジルは領地に引きこもりました。かつての勇敢な軍人の姿はありません。これ以降軍人として目立った活躍しなくなったとされています。

悪魔の誕生


フランス屈指の資産家であったジルは領地に引きこもり、自堕落の生活に身を投じるようになります。使用人を着飾らせ、美しい歌声を響かせる聖歌隊、国中から一級品の楽器を集めたりと、使いきれないはずの膨大な資産を溶かしていきました。

 

やがて、資産が尽きると焦りを感じるようになります。ジルは錬金術で財産を取り戻そうとしますが、上手く行くはずがありません。

 

追い詰めれたジルはついに黒魔術に手を染めます。手下を使い何百人の少年を城に誘拐して凌辱と虐殺に性的な興奮を得て、150人から1500人の犠牲者をが出たとされます。

 

もちろん城の付近にはジル・ド・レを疑うような噂が立ちましたが、「救国の英雄」がそんなことをするはずがないと、人々はジルを信じていました。

 

その最後


1440年5月15日。ジル・ド・レは城の所有権をめぐって聖職者と対立して、相手を誘拐して幽閉しました。これにナント司教は憤りジルの身辺調査に乗り出します。こうしてジルの極悪非道な行いが明るみになり、裁判が起こりました。

 

裁判がはじまるとジルは救国の英雄らしい凛々しい態度を取っていましたが、自分はキリスト教徒だ、と泣き崩れるなど、精神は不安定の様子。一貫していたの少年達への行い。あまりにも残虐なので一部の発言は記録から消されるほどだったと伝えらています。

 

10月26日にジルは貴族では珍しい絞首刑になりました。

 

まとめ


英雄とシリアルキラー。ここまで評価が変わる人物は珍しいのではと思います。ジャンヌ・ダルクの死が彼をそうしたと言う意見もあるそうですが、もともとそういった気質があった人物だったのではないかと私は思いました。

 

そういえば少年に対して具体的になにをしたのかは割愛しました。(個人的には書きたくない。知りたくない)

 

 

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